尋常性ざ瘡

ニキビは毛穴に皮脂や角質がつまってできる 「面皰(めんぽう)・コメド」 が出発点となり、炎症を伴う赤いニキビや膿をもつニキビに進展します。
赤いニキビに目に行きがちですが、重要なのは毛穴の詰まりである面皰であり、面皰内でアクネ菌が増殖することで炎症を起こし、赤ニキビを繰り返しニキビ痕に繋がってしまいます。
面皰を抑える塗り薬をまず使い続けるのがニキビ治療における重要なベースとなります。
思春期(早いと10歳前後)から20代にかけて皮脂分泌が盛んになる時期に多くみられますが、大人になってからも発症することがあります。

症状の経過

ニキビは次のようなサイクルで進行します。

  1. 面皰(コメド):白ニキビ・黒ニキビと呼ばれる初期病変
  2. 炎症性丘疹:赤ニキビ、膿をもった黄ニキビに進行
  3. ニキビ痕:治った後に赤みや色素沈着、凹み(クレーター)が残ることもある

    早期に適切な治療を行うことで、痕を残さず改善できる可能性が高まります。

日常生活でできる対策

  • 洗顔:1日2回、洗顔フォームを使って泡で洗うようにする。
  • 保湿:乾燥を防ぎ、肌のバリア機能を保つ
  • メイク:ノンコメドジェニックという記載された成作用の少ない基礎化粧品やファンデーションがおすすめです。夜にはクレンジングでメイクを落とすように。
  • バランスの良い食事:特定の食べ物を食べてはいけないということはありません。チョコや砂糖、ナッツがニキビを悪化させるという根拠もなく無理に摂取を控えなくてもOKです。バランスよく栄養素を取ることが大切です。
  • 規則正しい生活:睡眠不足やストレスは悪化因子になるため注意

治療について

外用療法(塗り薬)

■ アダパレン(ディフェリン®ゲルなど)

毛穴の詰まり(角化異常)を改善する「レチノイド(ビタミンA誘導体)」です。
皮脂や角質の流れを整えることで「めんぽう(コメド)」の段階から改善します。
初期に少し赤みや刺激感が出ることがありますが、慣れてくると皮膚が滑らかになります。

■ ベピオ®ゲル/ローション/ウォッシュゲル(過酸化ベンゾイル)

ニキビの原因菌(アクネ菌)を殺菌し、角質をやわらかくして毛穴詰まりを防ぎます。
抗菌薬とは異なり「耐性菌ができにくい」という大きな利点があります。
初期は乾燥や刺激を感じることもありますが、徐々に落ち着きます。

■ デュアック®配合ゲル

過酸化ベンゾイル(ベピオ)+クリンダマイシン(抗菌薬)の合剤です。
抗菌作用と角質改善作用の両方をもつため、炎症性ニキビにも初期ニキビにも効果があります。
抗菌薬単独よりも効果が高く、耐性菌のリスクも抑えられます。

■ エピデュオ®ゲル

アダパレン+過酸化ベンゾイルを組み合わせた合剤です。
毛穴詰まりを2種の成分で抑えるため面皰抑制作用が最も強く、炎症抑制にも高い効果がみられます。
刺激感が出やすい場合があり、塗布量や頻度を調整しながら使用します。

■ 外用抗菌薬について

外用抗菌薬は、ニキビの原因となるアクネ菌の繁殖を抑える薬 です。
赤く腫れた炎症性ニキビに効果があり、症状を早く落ち着かせる目的で使用します。

主な成分には ナジフロキサシン(アクアチム®)クリンダマイシン(ダラシン®)オゼノキサシン(ゼビアックス®) などがあります。
どれも抗菌作用をもちますが、単独で長期使用すると「耐性菌(薬が効きにくくなる菌)」が増えるおそれがあるため、最近では 過酸化ベンゾイル(ベピオ®など)との併用 が推奨されています。


内服療法

  • 抗菌薬(ミノマイシン®やビブラマイシン®)を一定期間内服
  • 補助的な内服療法として皮脂抑制を期待してビタミンB2・B6や、化膿したニキビに漢方が用いられることもあります。