虫刺され
虫刺されは、虫が刺したり噛んだりした際に体内へ入る唾液や毒素に対するアレルギー反応 によって起こる皮膚の炎症です。
赤み・腫れ・かゆみを伴い、症状の出方や強さは虫の種類や体質によって異なります。
虫刺されの症状には急性反応と遅発反応があります。
- 急性反応:刺されてすぐに赤く腫れ、かゆみが出る
- 遅発反応:数時間〜翌日にかけて腫れや硬いしこりが出る
年代による症状の違い
- 小児:遅発反応がメインで、特に手足で腫れが強く、熱をもったようになることがある。
掻き壊してとびひが続発することもあり。 - 成人:急性反応が出やすく、小児より腫れは軽度となるが、かゆみは強い。
治療
症状の強さに応じて治療を行います。
- ステロイド外用薬:炎症とかゆみを抑える基本治療
- 抗ヒスタミン薬の内服
虫刺されは、ときに炎症が非常に強く起き、夜眠れないほどの激烈なかゆみが生じることや、手足末端が腫れて痛みを伴うこともあります。
そのような場合は症状を抑えるために短期間のステロイド内服薬を処方することもあります。
虫種ごとの特徴と注意点
■ カ(蚊)
蚊は最も身近な虫刺されの原因で、春から秋にかけて屋外・屋内を問わず刺されます。
刺されると、蚊の唾液に含まれる成分に対するアレルギー反応により、赤みとかゆみが生じます。
小児では遅発型反応が強く出やすく、刺されてから半日〜翌日にかけて大きく腫れることが特徴 です。
ときに熱感や硬いしこりを伴い、感染と誤解されることもあります。
予防としては、虫よけ剤の使用、肌の露出を減らす服装、網戸や蚊取り器具の併用が有効です。
■ ハチ
ハチ刺傷は、虫刺されの中でも特に注意が必要 です。
日本で問題になる主なハチは、スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチ です。
- スズメバチ:攻撃性が高く、毒性が強い
- アシナガバチ:庭先などに巣を作りやすい
- ミツバチ:刺すと針が皮膚に残ることがある
- クロスズメバチ(ジバチ):土中に巣を作る
刺された直後は、強い痛みと急速な腫れ が出現します。
多くは局所反応で済みますが、過去にハチに刺されたことがある方では、アナフィラキシーを起こすリスク があります。
アナフィラキシーについて
ハチ刺傷後のアナフィラキシーは、全体の約1~3%程度 に起こるとされています。
以下のような症状が出た場合は、命に関わる緊急事態 です。
- 息苦しさ、喉の締め付け感
- 全身じんましん
- めまい、意識が遠のく感じ
- 吐き気、腹痛
このような症状が出た場合は、直ちに救急要請 が必要です。
予防として、黒い服を避ける、巣に近づかない、香水や整髪料を控えることが重要です。
■ ブヨ(ブユ)
ブヨは山間部や川沿いに多く、昼間に活動します。
蚊と異なり、皮膚を噛み切って吸血するため、刺された瞬間に痛みを感じることが多い のが特徴です。
刺された直後よりも、翌日以降に腫れやかゆみが強くなる遅発反応 がよく見られます。
足や腕が大きく腫れ上がり、数日〜1週間ほど症状が続くこともあります。
山や川へ行く際は、長袖・長ズボン、虫よけ剤の使用が有効です。
■ アブ
アブは山林や牧草地に多く、主に日中に活動します。
ブヨと同様に皮膚を噛むため、刺された瞬間に強い痛み を感じます。
刺された部位は赤く腫れ、痛みや熱感が数日続くことがあります。
腫れが長引く場合や感染が疑われる場合は受診が必要です。
■ ヌカカ
ヌカカは非常に小さく(1~3mm)、夕方から夜にかけて活動します。
海辺、草地、キャンプ場などで被害が多く、刺されたことに気づかないまま、後から強いかゆみが出る ことが特徴です。
皮疹は小さいものの、非常にかゆく、多発しやすい ため、掻き壊しに注意が必要です。
防虫対策としては、目の細かい防虫ネットや虫よけ剤が有効です。
■ ネコノミ
ネコノミは、猫や犬を宿主とし、人にも刺します。
室内でも発生しやすく、足首や下腿に赤いぶつぶつが並ぶように出る のが特徴です。
刺されるとかゆみが強く、同じ場所を繰り返し刺されることがあります。
ペットのノミ対策と、室内の清掃・寝具の管理が重要です。
■ イエダニ
イエダニは、ネズミなどを宿主とするダニで、古い家や集合住宅で問題になることがあります。
宿主がいなくなると、人を刺すようになります。
体幹や四肢に強いかゆみを伴う発疹が多発し、夜間にかゆみが強くなる ことがあります。
ネズミ対策や環境整備が重要で、皮膚治療と並行して原因除去が必要です。
■ トコジラミ(南京虫)
トコジラミは寝具や家具に潜み、夜間に吸血します。
近年、旅行や海外渡航をきっかけに再び増加しています。
朝起きたら刺されている、線状・群発の皮疹 が特徴です。
市販の殺虫剤では駆除が難しく、専門業者による対応が必要になることもあります。
■ ケムシ(チャドクガ)
チャドクガは、ツバキ・サザンカなどの葉に生息する毛虫で、春~秋にかけて被害が多くみられます。
チャドクガの体表には、非常に細かく鋭い毒針毛 が無数に付着しており、
- 毛虫に触れた
- 毛虫がいた木や葉に触れた
- 洗濯物や風で飛散した毛が皮膚に付着した
といった間接的な接触でも、皮膚に毒針毛が刺さり炎症を起こします。
首・腕・体幹など、衣服から露出している部位を中心にかゆみの強い赤いブツブツが多発します。
